【CSリーダーインタビュー】教育SaaSから飲食SaaSへ。飲食×テック領域を探る中で出会った「三方よし」のランプで、本質的な顧客伴走を
株式会社ランプは、「地域社会を灯す」というミッションのもと、テイクアウトSaaS「テイクイーツ」を通じて飲食業界のDX化を推進しています。
今回は、大手インフラ企業、急成長中の教育SaaS系企業を経て、ランプへ参画したカスタマーサクセス(CS)の山口さんにインタビューしました。大企業で培った知見とスタートアップでの泥臭い経験を持つ彼が、なぜランプを選び、現在どのような挑戦をしているのか、その根底にある想いに迫ります。
山口 陽太 / カスタマーサクセス
立命館大学卒業後、大手インフラ企業に入社しデータセンターの保守運用に従事。その後、教育SaaS企業「モノグサ」にてハイタッチCSおよびミドルタッチチームの立ち上げを経験。2025年10月に株式会社ランプに入社。現在はCSとして顧客伴走を行うとともに、組織拡大を見据えたCS活動の基盤構築を担う。
大企業で知った「学ぶ面白さ」と「危機感」
――新卒で大手インフラ企業に入社された背景と、そこで得た気づきについて教えてください。
学生時代は、自分が働くことに対する明確なイメージが湧いておらず、大学で学んでいたことを活かして、まずはビジネスの現場を経験してみようと大手インフラ企業に入社しました。
データセンターの安定稼働を担う保守運用やベンダー調整などを担当していましたが、実務を通じてビジネスのフレームワークを学び、それを現場に還元して成果を出していくプロセスに面白さを感じるようになりました。
また海外のデータセンター案件に携わり、英語でファシリテーションを行ったり、電気設備に関する資格を取得したりと、自分が努力して身につけた知識が実際の業務に直接的に活き、社会のインフラを支えているという手触り感を得られました。
学生の頃は勉強をする意味に疑問を持つこともありましたが、社会に出てからは、学んだことがすぐに価値として反映されるビジネスの面白さに気づくことができました。
――そこからスタートアップへの転職を決意されたのはなぜでしょうか。
大企業ならではの安定感ややりがいは十二分にあったのですが、一方で専門的すぎる領域に特化していくことに対して、このままでは自分でキャリアを築いていくことが難しくなるのではないかという危機感を抱くようになりました。
また、大企業特有の縦割り構造の中では、できることが限定的で、その役割を越境した協力体制は築きにくいと感じていました。もっと100%の情熱を燃やし、共通の目的やゴールを持って仲間と肩を組んで頑張りたい、自ら主体的にビジネスを動かしていたい、と強く思うようになり、スタートアップへの挑戦を決めました。

教育SaaSで学んだ「BtoBtoC」の醍醐味
――2社目に教育SaaS系企業の「モノグサ」を選んだ理由を教えてください。
スタートアップの熱量に惹かれて色々と企業を見ていく中で、モノグサの「記憶を科学する」というプロダクト思想に関心を持ちました。
その上で、ビジネスを通じて、塾や学校へ価値を提供することが、最終的にエンドユーザーである子どもたちに価値を届ける「BtoBtoC」のSaaSモデルが非常に面白いと感じたんです。また、面接を通じて私の人間性をしっかりと見てくれている雰囲気が伝わり、ここなら熱量を持って取り組めると確信しました。
――CSとして顧客伴走を行う中で、どのような難しさややりがいを感じましたか。
サービスの特性上、既存業務にプロダクトを組み込むというより、先生方に新たな管理や指導の役割をお願いする「プラスアルファの習慣化」を求める側面があります。現場からすれば「新しい仕事が増える」と捉えられかねないため、単に提供するだけでなく、いかに日常のサイクルに溶け込ませるかという導入設計の難しさがありました。
定着させるためには、現場の先生たちの業務プロセスの中まで深く入り込み、新しい運用を根本から再構築しなければなりません。
例えば、塾に来たタイミングで先生が管理画面から生徒の学習状況を確認するフローを業務に組み込む必要があります。そして、そのデータをもとに「学習が進んでいないから今日は少し補習しようか」や「ここまでよくできているね」と、子どもたちへコーチングのコミュニケーションを取ってもらうところまで導入段階から設計します。
このように、先生方のITリテラシーや業務プロセスへの組み込みの壁を乗り越えつつ、最終的なエンドユーザーである「子どもたちをどう動かして学習させるか」という教育の本質的な課題にも向き合う必要があり、そこが一番の難しさでした。
そのように現場に伴走した結果、子どもたちの成績が上がり、先生と共に喜びを分かち合えた時、難易度の高い課題を乗り越えた達成感と、BtoBtoCビジネスにおけるCSの計り知れないやりがいを肌で感じることができました。この難局に向き合うスタンスは、現在のランプでのアプローチにも直結しています。

1年半かけて辿り着いたランプ。「三方よし」に見た誠実な顧客伴走
――教育領域から飲食領域へ軸足を移そうと考えたきっかけは何だったのでしょうか。
教育領域での仕事は非常に充実していましたが、元々飲食が大好きで、CSとしていつかは飲食領域へ関わりたいなと思っていました。「飲食を通じて人が繋がり、笑顔が増える空間」をテクノロジーで支えたいという想いがずっとありました。
すぐに転職する気はなかったのですが、飲食関連のテック企業の方々のお話しを聞く機会を定期的に設けていました。約1年半で10社ほどと接点を持たせていただいたと思います。
――多くの企業とお話を重ねてきた中で、ランプに入社した理由を教えてください。
大きな理由は、顧客の成功が自社の成長にダイレクトに直結する「三方よし」の事業構造があったからです。
ランプは業務効率化としての価値提供にとどまらず、「売上機会の最大化」まで目指しています。それを象徴しているのが従量課金モデルを採用している点です。
一般的なSaaSの多くは、毎月固定のシステム利用料をいただくサブスクリプション型ですが、ランプは顧客のテイクアウト売上が上がった分に対して手数料をいただくというビジネスモデルです。
つまり、「顧客の売上を上げる支援」が「自社の成長」と一致しているんです。
売上が増えるということは、その先にいる消費者の「美味しい」「嬉しい」といった笑顔の対価だと考えています。顧客のビジネスを伸ばす本質的なCSの姿がここにあると感じましたし、SaaS業界でもこうしたモデルはまだ珍しく、大きな特異性であり非常に魅力的だと感じました。
また、プロダクトの根底にある「黒子に徹する」という思想にも深く共感しました。
飲食業界にはECやデリバリーなどプラットフォームサービスや、エンドユーザー側で会員登録が必要なサービスも多いですが、テイクイーツはあくまで店舗自身のブランドや世界観を毀損せず、エンドユーザーの体験や店舗のチャネルを強化することにこだわっています。そのため、基本的にテイクイーツというサービス名は見えないようになっています。エンドユーザーからは存在を知られなくてもいい、というくらい徹底した裏方気質に、誠実なスタンスを感じました。
――代表の河野さんのお人柄や哲学も大きな決め手になったと伺いました。
そうですね。何よりの決め手は河野の人柄と哲学です。
非常にフラットで親しみやすい一方で、河野の経営判断の根底には、近江商人の「三方よし」や、人に知られず良いことをする「陰徳善事」といった確固たる芯が存在しています。
実は、先ほどお話しした「従量課金モデル」や「黒子に徹する」というサービスの特性も、すべてはこの河野の哲学から来ているんですよね。消費者、店舗、自社、そして社会が、すべて豊かになるという思想が、私が前職で培ったBtoBtoCの知見と完璧にリンクし、「この人の力になりたい」と強く思いました。
自分が100%の情熱を注げるのは「もうここしかない」と思ったからこそ、東京から京都への移住を伴う転職を即決することができました。

データと現場の声で「型」を創る。未完成な組織で味わうスタートアップCSの真髄
――現在、ランプのCSとしてどのようなミッションに取り組んでいますか。
単にツールの使い方をご案内するだけではなく、お客様のビジネスに深く入り込み、売上や生産性向上といった本質的な課題解決に寄与することをミッションに日々の業務に取り組んでいます。
フェーズとしては大きく2つあり、まず導入初期は、お客様がテイクイーツを活用して成功体験を得られる状態をつくることに注力しています。その上で活用が定着した後は、売上や生産性といった事業インパクトにどう繋げるかを重視しています。注文データなどの数値情報や現場の双方から現状を捉え、仮説主導で課題を特定し、改善施策のご提案から実行まで継続的に伴走をしています。
また、今後の組織拡大を見据えた「CS活動の基盤づくり」も自分たちで進めている状況です。
CSのメンバーはまだ2-3名という少人数体制のため、役員陣と一緒に組織を創り上げているという手触り感があります。VP of CSの寺本は、イノベーション特化のコンサルで組織を牽引してきた知見があるので、ランプに合わせたセオリーを一緒に作っていけることはとても刺激的です。
――最後に、これからランプにジョインする方へ向けて、現在のフェーズならではの魅力を教えてください。
ランプには、生産性を重視する働き方と、部署の垣根を超えてフラットに議論できる環境があります。組織としてはまだ中間管理職が少なく、「型」が完成していない未成熟なフェーズです。
だからこそ、与えられた仕組みの中で動くのではなく、自ら一次情報を取りに行き、課題を特定して仕組みを創り上げていけるチャンスが広がっています。本気で飲食業界の課題解決に挑み、組織の「型」を創る側に回りたいと考えている人にとって、これ以上ない刺激的な環境だと思います。
