【CS座談会】市場にない価値を証明する。テイクアウトを通して、まだ見ぬ売上を作る「コンサル型CS」の醍醐味とは

【CS座談会】市場にない価値を証明する。テイクアウトを通して、まだ見ぬ売上を作る「コンサル型CS」の醍醐味とは

「地域社会を灯す」というミッションのもと、テイクアウト特化型SaaS『テイクイーツ』を展開しています。

今後の日本における飲食市場で大きな柱となる「テイクアウト」の導入を、コンサル的な視点から牽引するのがCSチームです。

システム導入がメインのCSとは一線を画し、顧客の経営課題や売上向上のためにテイクアウトの「確からしさ」を証明する働き方は、まさに“コンサルティング”そのもの。

今回は、VP of CS / Bizdev(インタビュー時点、現VP of Sales)の寺本さん、現場の最前線で組織を牽引するCSの山口さん、そして長年顧客に寄り添い続けるカスタマーサポート課長の桂さんという3名の対談記事。

他社のCSとの違い、具体的な事例、そしてランプ社ならではの「三方よし」のやりがいついて、語っていただきました!

寺本 拓矢 / ー執行役員 VP of Sales (インタビュー時:VP of CS)

同志社大学卒業後、新卒でサントリーへ入社。PMIにおけるプロジェクトマネジメントや法人営業組織の立ち上げに従事。その後、スタートアップのiROBOTICSでセールス・マーケティング責任者、新規事業・イノベーション創出コンサル会社のReGACY Innovation Groupを経て、2025年10月にカスタマーサクセス責任者として株式会社ランプに入社。ー現在は、VP of Salesとして事業を牽引している。

山口 陽太 / カスタマーサクセス リーダー

立命館大学卒業後、大手インフラ企業に入社しデータセンターの保守運用に従事。その後、教育SaaS企業モノグサにてハイタッチCSおよびミドルタッチチームの立ち上げを経験。2025年10月に株式会社ランプに入社。現在はCSとして顧客伴走を行うとともに、組織拡大を見据えたCS活動の基盤構築を担う。

桂 裕幸 / カスタマーサクセス リーダー

大学卒業後に老舗楽器メーカーにて海外営業に従事し、2019年より株式会社ランプに参画。受託開発など複数のプロジェクトを担当の後、テイクイーツの立ち上げから現在に至るまでを支える。

解決したいのは「機能の不明点」ではなく「事業の課題」

――ランプのCS組織がどのようなミッションを持って動いているのか教えてください。一般的なSaaS企業のCSとは、どのような違いがあるのでしょうか。

寺本:

決定的な違いは、「私たちが解決しようとしている課題のレイヤー」にあります。

CS(カスタマーサクセス)という言葉を聞くと、どうしても「ツールの使い方を教える」「機能の不明点に答える」といった受動的な問い合わせ対応をイメージされる方が多いかもしれません。

しかし、私たちのミッションはそこにはありません。テイクイーツというプロダクトを通じて「顧客の事業をいかに伸ばすか」、つまり事業成長のパートナーとして伴走することが本来の役割です。

山口:

事業に関わる「全てのステークホルダーがWinの状態」を作ることも、私たちCSの役割です。

例えば、経営観点だけではなく「現場で働く方」のことも考える必要があります。

テイクアウトという領域は、単なるデジタル上の完結ではなく、現場の「人」が動く実店舗のオペレーションが密接に関わってきます。いくら経営層と「これで売上が上がりますよ」と施策を合意したとしても、現場のスタッフが回せなければ絵に描いた餅です。

一方で、現場の負荷を下げることだけを優先すれば、今度はエンドユーザーである「お客様」の利便性や、ブランドの価値を損ねてしまうことにもなりかねません。

私たちCSは、経営、現場、お客様の「三方よしを実現するための事業作り」のお手伝いをしている存在ともいえます。

桂:

そのため、システム導入時も「ただ要望に応えるだけ」の仕事はしません。

私はテイクイーツの立ち上げ期からオンボーディングなどを担当してきましたが、お客様から「こういう機能を使いたい」と言われたことをそのまま実装したり案内したりするのではなく、「なぜその機能が必要なのか?」「その裏側にある本質的な経営課題は何か?」を捉えてアンサーを返すことを徹底しています。

例えば、京都の回転寿司チェーン様やマールブランシュ様など、初期から使い続けてくださっているお客様に対しても、顧客自身が気づいていない潜在課題を先回りして提案し、一歩先を行く価値提供ができていることで、パートナーとしての立ち位置を確立しています。

寺本:

私たちが目指しているのは、「ブランドの売上向上」、店舗スタッフにとっての「オペレーションの最適化」、そして商品を受け取る「お客様の利便性や体験の向上」という、三方すべてが良い状態を作り上げることです。

システムを導入して終わりではなく、この「三方よし」を実現するために思考を振り絞り、実働まで落とし込むプロセスこそが、ランプ流のCSだと言えます。

現場から紐解くリアルな伴走事例

――現在どのような企業様と向き合っているのでしょうか?

寺本:

現在、私たちが向き合っている企業様の状況は大きく3つのフェーズに分かれています。

1つ目は「すでにテイクアウトを実施されている企業様」、2つ目は「これからテイクアウトを本格的に強化していきたい企業様」、そして3つ目は「さまざまな施策をやってみたものの、すぐには結果が出ていない企業様」です。

テイクイーツは元々和洋菓子領域で強い基盤を築いてきましたが、現在は飲食領域全体へとドメイン拡大を進めています。

領域が広がればオペレーションの複雑さも増し、難易度は格段に上がります。CSチームはその難易度の変化すらも「自分たちの介在価値が高まる面白いフェーズだ」と前のめりに楽しんでくれていますね。

――フェーズによって課題もアプローチも全く異なりそうですね。それぞれの具体的な事例について教えていただけますか。

桂:

まず、すでにテイクアウトを実施されている大手洋菓子メーカー様の事例をお話しします。

こちらの企業様では、あるタイミングでテイクアウトの売上が落ちてしまうという課題が発生しました。データを細かく見ていくと、カートへの追加率は下がっていないのに、決済処理の段階で大きく離脱していることが分かったんです。

周辺情報をヒアリングするうちに「店舗のオペレーション負荷を下げるために、店頭支払いをやめて事前決済のみにしたこと」が判明しました。

そのような情報から「カートに入れた後に、カード情報の登録がマストになったことで、離脱が生まれているのでは?」と考え、店頭支払いを復活させる提案をした結果、注文率が劇的に上がり、売上をしっかりと回復させることができました。

飲食の現場は因果関係が分かりづらく、どうしても現場優先になってしまいがちです。そこをテイクイーツを通したデータを元に可視化することで、全員で納得感を持った意思決定ができた事例でした。

――すでにテイクアウトが浸透している場合、分析で売り上げが伸ばせるのですね。ただ、洋菓子店と違って、飲食店などテイクアウトが浸透していない企業はいかがですか?

山口:

おっしゃる通り、飲食チェーンなどこれからテイクアウトを強化していく企業様への導入は、洋菓子店とは全く異なる店舗オペレーションと、新しいシステムに対する現場の強い抵抗感が大きな壁となります。

そこをうまく解決できそうな「とんかつ屋」さんの事例がございます。

【導入背景】

抱えていた課題:普段はカウンター形式でカツ丼などを提供している店舗ですが、ランチタイムのピーク時に券売機に行列ができてしまっていました。券売機で購入してから調理の待ち時間も発生するため、「並びたくない」「待ちたくない」というお客様を取り逃がしてしまい、売上の機会損失が発生しているという課題がありました。

テイクイーツによる解決策:その課題を解決するため、テイクイーツを導入して事前予約・事前決済を可能にしました。これにより、お客様は行列に並ぶことなく、出来立ての商品をすぐに受け取れるという新しい体験を提供するためのトライアルとして導入いただきました。

当初の課題はピーク時の行列と待ち時間。その解消のために「事前予約」ができるテイクイーツを導入いただきました。しかし、最初の3ヶ月間はなかなか注文が入りませんでした。

現場に足を運び課題を洗い出した結果、原因はシステムではなく、「そもそも事前予約ができるという認知が形成されていないこと」だと分かりました。

そこで、店頭の看板(イーゼルメニュー)でテイクアウトを告知するなどのマーケティング施策を一緒に実施した結果、テイクイーツ経由の売上ペースが4倍に跳ね上がりました。

さらに、注文率を上げるために限定メニューを追加したり、メルマガで新メニューを訴求したりと、単なるツールの導入を超えて、マーケティングや販売戦略にまで深く入り込んで伴走しています。

――現場の課題を解決し、売上4倍は素晴らしい成果ですね。最後にすぐに結果に結びつかないような、難しいケースも教えてください。

寺本:

例えば、「ECも強い、有名洋菓子ブランド様」の事例ですね。

2〜3年ほど取り組んだものの、当初想定していた「焼き菓子のテイクアウト」ではなかなか利用率が上がりませんでした。

ツール導入型のCSだと「テイクアウトやツールが合わなかった」で終わるのですが、私たちはマーケティング担当の役員の方と深く協議を重ね、そもそもの目的の再定義を行いました。具体的には、「目前の大口需要」と「季節限定商品の確実な受け取り需要」を確実に刈り取るという新たなテーマで取り組みを進めています。

このテーマに行き着くために弊社が実行したのは「店頭に立ち、再度お客様の声から需要を発掘する」ということ。具体的には3店舗において5日間、店舗に来られるお客様に対してウェブ予約訴求のチラシを配布しながら、お客様の反応を伺ったりインタビューなどをさせていただきました。

その結果、「こういうシステムがあると時々あるイベントやパーティなどの時に確実に注文できて、かつ店舗にも並ばなくてよくてめっちゃいいね!」や「季節限定商品を毎回楽しみにしているのだけど、店頭に行くと売り切れている機会がおおくて。。。」といった非常に重要なインサイトを獲得することができました。

上記のような事実に加え、「なぜこの需要獲得をしていくのにテイクアウトが良いのか」ということについても納得いただけるように、ブランド様ですでにやられているECや大口注文サービスとの差別化も加味した戦略も提案しております。

こうした実態の伴った蓋然性の高い仮説を根拠をもとに説明していくことで、不確実な状況であっても意思決定していきやすい提案を持っていくことも、カスタマーサクセスの重要な活動であると捉えています。

「三方よし」の追求。システム提供の、その先にある価値

――非常に難易度が高い内容ですが、皆さんがそこまで熱量高く向き合える「やりがい」はなんでしょうか?

山口:

やはり、ブランド、店舗、お客様にとって、「三方よし」の構造をデザインできた瞬間に、最大のやりがいを感じます。

私たちが目指しているのは、単なる店舗の売上アップではありません。売上に直接的なインパクトを与えつつも、同時に現場のオペレーション負荷を軽減し、最終的に消費者の体験も向上させる。この「店舗・現場・消費者」の三方がすべて幸せになる状態を作ってこそ意味があると考えています。どれか一つでも欠けてはいけないんです。

桂:

私も同感です。システムという「手段」の提供に留まらない点が魅力ですね。

店舗側は日々の業務に追われ、自分たちでも気づいていない潜在課題を抱えていることが多々あります。そこに私たちが外部の視点から入り込み、「実はここを改善すれば、売り上げも改善できるし、お客様にも喜んでいただけますよ」と一歩先の提案を行う。システムを導入したその先にある、消費者の笑顔やブランド体験そのものをアップデートできているという実感は、この仕事ならではの醍醐味です。

――三方に対する価値提供がやりがいに感じるのですね。ちなみに事業フェーズも変化してきていますが、その点で感じるやりがいはありますか?

寺本:

そうですね。これまではテイクアウトを元々導入していたお客様(主に和洋菓子店様)に対して、「電話予約の代替」といった、短期的な成果が見えやすい領域への導入がメインでした。しかし今は次のフェーズに進み、「テイクアウトが浸透していない飲食領域」にも展開を始めました。

まだ業界に浸透していない「テイクアウト」の必要性を証明して、共に進める関係を築き、結果に繋げるという一連の流れに大きなやりがいを感じますね。

まだ市場には、「蓋然性の高いテイクアウトの売上の伸ばし方」等の理論は確立されておらず、捕捉できるようなエビデンスも世の中には蓄積されていないため、自分たちで論理を立てなくてはいけません。大変ではあるのですが、市場にないものを自分たちで作り出している手触り感はなかなか味わえないです。

――顧客の納得感を醸成することは、非常に難易度が高いように思います。その点はどう工夫されているのですか?

山口:

おっしゃる通りです。仮に私たちが仮説を立てられたとしても、企業側も確証がないため、最初からそこに予算をかけてはくれません。

そのため、最初は売上目標からブレイクダウンするのではなく、「コスト削減」の文脈で導入いただき、「まずは1店舗でやってみましょう」と小さくスタートする案件が多いです。

ただ入り込んだ先で、売上を上げるためにも多くのハードルがあります。

例えば、売上のためには店頭での認知など「動線作り」を先方に助けてもらわなければなりませんが、現場は日々の業務で手一杯。どうしても新しい施策に対する優先順位は下がってしまいます。

寺本:

だからこそ、先方を動かすためには、ただ「やってください」とお願いするのではなく、筋道を立てて話す必要があります。

「最終的に何をすればいいか」を具体的なアクションベースに落とし込み、そのための分析と仮説、そしてストーリーを徹底的に詰める。店舗ごとに泥臭く仮説検証を繰り返し、ロジカルに成功の道筋を証明していくことで、初めて顧客は動いてくれます。この難易度の高さと、未開拓のフェーズを自分たちの手で切り拓いている手触り感こそが、今のランプのCSならではの大きなやりがいですね。

正解がないフェーズを共に創る。CS組織の現在地

――現在の組織体制や展望を教えてください。

寺本:

現在のCS組織は、戦略立案やコンサルティング領域を担うCS担当が私を含めて3名、テクニカルサポートやオンボーディング、カスタマーイネーブルメントを担うメンバーが2名の、計5名という少数精鋭体制です。

これまで属人的だった部分を、誰でも一定の成果が出せるようにパッケージングする作業はある程度進んできました。

しかし、私たちは既存の仕組みに甘んじるつもりは全くありません。

今後、蓄積した「購買前」データを活用したCRMへの展開や、AIを活用した新プロダクトの開発、さらにはインバウンド領域へのアプローチなど、次々と新しい構想が動き出しています。組織としては完成に向かっているのではなく、再び「正解がない状態」を切り拓くフェーズに突入しています。

――これからのフェーズ、どんな方にフィットしそうですか?

桂:

寺本が言うように「正解がないフェーズ」だからこそ、決まったルールやマニュアルの中でだけ動きたいという方には、少し厳しい環境かもしれません。

逆に与えられた業務をこなすだけでなく、自ら顧客の課題を発見し、BizDev(事業開発)の視点を持って解決の「糸口」を見出し、「型」を創り上げたい方にはピッタリだと思います。

山口:

私も同感で、仕組みがない、余白だらけの環境を「面白い!」と思える方が合っているかなと思います。自分で「確からしいこと」を集め、市場にない論理を組み立てていく。そんなことを面白がってくれる人と働きたいですね!

寺本:

飲食・小売業界のDXインフラを創り上げ、社会に本質的な価値を提供する。この熱量の高いチームで、共に「正解」を創り上げてくれる方とお会いできるのを楽しみにしています。

少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう!

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