【セールスマネージャーインタビュー】ネオキャリア執行役員を経て、SmartHRの急成長を支えたBizDevが、次なる「カオス」にランプ社を選んだ理由
株式会社ランプは、デジタルの力で地域社会を灯すことをミッションに掲げ、食品小売向け注文受付・管理SaaS「テイクイーツ」の開発と運営を行っています。
今回は、株式会社ネオキャリアで執行役員まで上り詰め、株式会社SmartHRではBizDev責任者として同社の急成長を力強く牽引してきたランプのセールスマネージャーの古川さんにインタビューを行いました。HR業界で圧倒的な実績を持つ彼が、なぜ次なる挑戦の場としてランプを選んだのか。数々の急成長組織で「カオス」を整えてきたキャリアの軌跡や、ランプで実現したい未来、そして求める人物像に迫ります。
古川智之 / セールスマネージャー
高校卒業後、飲食業界を経て2006年に株式会社ネオキャリアへ入社。求人広告の営業から事業部長、執行役員を歴任し、新規事業の立ち上げも経験。2020年1月に株式会社SmartHRへ入社し、インサイドセールスのマネージャーやエンタープライズセールスの本部長として組織を牽引。2025年9月、株式会社ランプにセールスマネージャーとして参画。
バンドの道から執行役員へ。ネオキャリアを数千名規模へ押し上げた「カオスを整える力」
――最初のキャリアは飲食業界からのスタートだったと伺っています。当時のエピソードをお聞かせください。
高校を卒業した後は「音楽でプロになる」という道を選び、大学へは進学せずに音楽専門学校に通いながら居酒屋でアルバイトをしていました。ホールでの接客からキッチン以外のすべてのオペレーションを担当し、アルバイトリーダーを経てその後「正社員として働かないか?」と打診をいただきました。
もちろん正社員になることで音楽に時間を使えなくなる葛藤はありましたが、当時音楽活動はなかなか上手くいっておらず、プロになるという夢に見切りをつけたタイミングだったので、よいタイミングだと思い、正社員になる決断をしました。
――そこからネオキャリア社へ転職されたのはなぜでしょうか。
正社員になって1年半ほど経った頃、改めて今後の自分の生き方や市場価値を考え始めました。個人の成果が評価に直結せず、年齢を重ねるだけで一律に給与が上がっていく仕組みに違和感を覚えるようになり、このまま居続けるのは難しいかもしれないと感じました。
実は私の通っていた高校は進学校で、同級生たちは医者や官僚、大手企業へと進んでいます。私は音楽の道に専念するため大学へ進学しない決断をしたのですが、その道を諦めることになり、同級生たちが一流の道へ進むのを見て焦りや悔しさもありました。だからこそ「大学に行かなかった自分の選択は間違っていなかった」とビジネスの場で証明し、過去の自分自身の意思決定をなんとか肯定したいという思いが強くなったのです。そこで、学歴や年齢に関係なく実力で駆け上がっていける環境を求め、当時100名規模で若く勢いがあるネオキャリアへの入社を決めました。
――ネオキャリア社では執行役員へと昇進されています。カオスな成長フェーズでどのような成果を残されたのでしょうか。
キャリアのスタートは中途採用領域の求人広告営業でした。転機となったのは入社3年目、リーマンショックの煽りを受けて会社が地方展開による逆張り戦略へと舵を切ったタイミングです。私は東京拠点の責任者に抜擢され、既存顧客基盤の死守と組織の再編を任されました。
ただ、当時の私は、マンションの一室から泥臭く拠点を立ち上げていく地方メンバーの姿を東京から眺めて、どこか羨ましさを感じていたんです。何もない「ゼロ」の状態から、カオスを楽しみながら組織をグロースさせていくプロセス。そのダイナミズムを自分も肌で感じたいという欲求が、その後のキャリアの原動力になりました。
その後、新卒領域の事業部長などを歴任し、入社10年目の2016年に執行役員に就任しました。求人媒体のトップ代理店としての確固たるポジションを築けたことは、事業成長における大きなマイルストーンとなりました。
――組織規模が数千名へと急拡大する中で、ご自身のどのような強みが介在価値を発揮したとお考えですか。
当時の組織は、圧倒的な熱量を持つ一方で、ITリテラシーや業務インフラの整備には極めて大きな課題がありました。ほとんどのことを手動で行うような超アナログな環境だったんです。
私は根っからの効率主義者で、組織全体の投資対効果を最大化するために、まずはファーストペンギンとしてIT基盤の刷新に踏み切りました。
基本的なITインフラをゼロから起案したのを皮切りに、チャットツールやCRM、SFAといったITツールの導入を推進し、属人的な営業スタイルからの脱却を図りました 。この「カオスを構造化し、勝てる仕組みへと転換する力」は、この経験を通じて少しは身につけられたのではと思います。
キャリアの終盤には、これまでの採用の知見を活かし、LINE上で求職者とコミュニケーションがとれる採用管理ツール「MOCHICA(モチカ)」を立ち上げました。このプロジェクトを通じて、SaaSというビジネスモデルと出会ったことが、SmartHRへの転職を考えるきっかけになりました。

「なんとかしてくれ」に応え続けた、SmartHRでのV字回復と組織変革
――そこからSmartHR社へ転職された経緯を教えてください。
ネオキャリアが4,000名規模の組織になり、ガバナンスが整っていく中で、「会社の看板を外した自分の市場価値」を知りたいと思うようになりました。
そんな折、SaaS型の採用管理システムを立ち上げたことをきっかけに、SaaSという「仕組みで価値を提供する」ビジネスモデルに強い関心を持ちました。SaaS関連のインプットを進め、インサイドセールスやThe Modelなどについて調べていくと、当時真っ先に名前が挙がってくるのがSmartHRでした。
そこからSmartHRを調べた時に、当時は「希望年収を聞かずに社内基準でオファーを出す」というスタンスを公表しており、純粋な自分の市場価値を測るには最適な環境だと感じました。加えて、社長ブログで「シリーズCの資金調達を受けて採用に大きく投資し、人数を数倍にする」という記事を読んだんです。
人数を一気に増やすとなれば、必ず組織に歪みやカオスな状況が生まれ、これまで培ってきた整える力が絶対に活かせるはずだと確信し、SmartHR1社のみに応募して当時200名弱の規模だった環境に飛び込みました。
――SmartHR社ではどのようなミッションを担ったのでしょうか。
まさに私が求めていた「カオスの整理」からスタートしました。
私が入社した当時は社員番号184番、全社で200名弱というフェーズでしたが、そこから1,500名規模へと急拡大していく過程の中核を担わせていただくことになります。
入社後、まずはインサイドセールス(以下、IS)部門のマネージャーに抜擢されました。当時の組織は非常にフラットな社風で、良い意味でも悪い意味でも平等主義が根付いていました。IS部門はすでに10名ほどの規模になっていたものの、組織としての明確な階層や意思決定のプロセスが未整備で、組織的に動けていませんでした。まさに私がネオキャリアの急拡大期で経験してきたような「整えるべき課題」が山積みでした。
そこで、チームを複数に分けてリーダーを選任し、それぞれの役割と責任を明確にするなど、組織としての強固な骨格をゼロから構築し直しました。この仕組み化が功を奏し、結果としてIS部門は、私が抜ける頃には60名規模へとスケールし、会社の成長を最前線で支える盤石な組織へと成長させることができました。その後は、当時苦戦を強いられていたエンタープライズセールス部門の本部長へと異動し、事業の立て直しを図ることになります。
――苦戦していた組織をどのようにV字回復させたのですか。
新たな領域へとサービスを拡張し、エンタープライズ領域へどう切り込んでいくかが全社的な重要テーマとなっていた時期でした。しかし、私が着任する前の部門の達成率は大きく落ち込み、現場にも停滞感と疲弊が漂っている、まさに修羅場のような状態だったんです。
私はネオキャリアで数千名規模の組織を見てきた経験から、「経営陣がどれだけ素晴らしい戦略を掲げても、『結節点』となる中間のマネージャー層がファイティングポーズを取っていなければ、現場は絶対に動かない」という確信がありました。そこで、どんな状況でも前を向いて事業を推進できる熱量の高い人材をリーダー層に据える、大胆な配置転換を実行しました。例えば、当時大阪の1チームリーダーだったメンバーを、組織全体のマネージャーに大抜擢するといったことも行いました。
こうした「勝てる組織への骨格づくり」を徹底した結果、着任後の半期で達成に導き、さらにその翌年には前年対比で大きく伸ばす劇的なV字回復を果たすことができました。その後もグロースマーケット事業本部のBizDev責任者として、現場から上がるあらゆる「なんとかしてくれ」というオーダーを形にし続け、事業拡大を最前線で牽引した期間でした。

完成された組織を離れ、次なる「カオス」としてランプを選んだ3つの理由
――SmartHR社でも順調にキャリアを築かれていたと思いますが、転職を考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか。
転職の意向はなかったのですが、自分の市場価値を客観的に知るため「キャリアの健康診断」として定期的にエージェントと面談をしていました。
その背景には、組織フェーズの変化があります。
組織というのものは、拡大し完成されていくプロセスの中で、どうしてもガバナンスが強化され、管理部門が強くなっていきます。私自身、ネオキャリアで組織が数千名規模になった際にそのような変化を経験しており、SmartHRでもいずれ同じようなフェーズが来るのではと予見していました。
もちろん、完成されていく組織の中で自身を成長させる道もあります。しかし、自分のキャリアを振り返ったとき、私が最も力を発揮でき、心からワクワクできるのは「整っていないカオスな環境を仕組み化していく」立ち上げフェーズではないか、と。
そのため今度は10名規模のフェーズで「次なるSmartHR」を創るような挑戦がしたいという思いが芽生えてきました。そんな時に面談で出会ったのがランプで、まさに私が求めていたような企業でした。
――ランプのどのような点に惹かれたのでしょうか。
理由は大きく3つあります。
1つ目は、「モメンタム(勢い)が生まれる瞬間」を自らの手で創り出せる面白さです。
前職に入社した際はすでに素晴らしいプロダクトがあり、お客様からの問い合わせが止まらない恵まれた状態でした。もちろんそれも貴重な経験ですが、私が本当に心躍るのは、まさに今ランプが迎えている「一気に弾ける直前のゴム」のようなフェーズです。すでに伸びているものをさらに伸ばすよりも、自分たちの手で爆発的な成長の起点を創り出す。これほどワクワクするタイミングは他にないと感じました。
2つ目は、プロダクトが持つ「誠実さ」です。
私自身のキャリアの原点が飲食業界だったこともあり、店舗の泥臭いオペレーションや現場の苦労は肌で知っています。だからこそ、『テイクイーツ』が現場に負荷をかけず、飲食業界のリアルなペインを根本から解決できる、嘘偽りのない本質的なサービスだと確信しました。誰に対しても胸を張って真っ直ぐに届けられる事業であることは、私にとって非常に重要な決め手でした。
3つ目は、代表である河野の人間的な魅力です。
彼は隙のない完璧なトップダウン型の経営者というよりも、自分の弱さを素直に認め、周りを頼ることができる『ONE PIECEのルフィ』のような人なんです。変なプライドがなく仲間を信頼してくれるからこそ、「神輿を担ごう」と自然と優秀なメンバーが集まってくる。前職のようなSaaS業界を代表する素晴らしい組織は、極端な話、私がいなくても間違いなく成長し続けるでしょう。しかし今のランプであれば、河野にないスキルや経験を自分が補完することで明確に「パズルのピース」がハマり、「自分が関わるからこそ、確実にこの会社の未来が変わる」という強い手触り感を持てると感じました。

戦略を語るだけでなく、自らの手で「勝ち筋」を創り出せる仲間を求めて
――現在、ランプではどのような役割を担っていますか。
現在はセールス組織においてプレイングマネージャーとして、時には自ら新規商談を創出するためにテレアポを行う日もあれば、獲得できた商談を実施して新規導入店舗数を最大化していくために、飲食領域の新規開拓の最前線に立っています。
現在のセールス組織は私を含めてもまだ3名しかいません。京都本社にはスイーツ業界出身の経験豊富なメンバーがいて、彼がこれまでテイクイーツのスイーツ店開拓を牽引してくれております。彼が引き続きスイーツ領域を担い、私ともう1名で、今後当社としても注力していきたい飲食領域(パン屋やレストラン、居酒屋などの様々な業態があるマーケット)への新たな市場の開拓に挑んでいます。少人数の組織でプレイングマネージャーとして最前線を走る今のポジションは、まさにネオキャリア時代に私が羨んでいた「ゼロから立ち上げる拠点長」のような立ち位置で、非常にやりがいを感じています。
――現在の課題や、注力していることについて教えてください。
これまでスイーツ領域で成功してきた勝ち筋が、そのまま飲食領域には通用しないという壁に直面しています。同じ飲食業界という括りですが、競技がまったく違うと言ってもいいレベルです。
しかし、だからこそ面白い。この領域の勝ち筋を見出せれば、確実に新たなマーケットを自らの手で開拓し、育て上げられたと胸を張って言える状態になります。今はまさに、SmartHRの初期にも似た、これから事業が爆発的に伸びる勢いの明確な予兆を感じています。弾ける前のゴムのような、凄まじいポテンシャルがある状態です。
――最後に、これから一緒に働く仲間に向けてメッセージをお願いします。
私たちは、コンサルタントのように外から立派な戦略を語るだけでなく、不確実性の高いカオスを構造化し、勝てる仕組みへと昇華させられる人を求めています。
キャリアは偶発性の積み重ねだという理論がありますが、まさにその通りだと思います。最初から用意された安定したレールはありませんが、このカオスな環境をくぐり抜け、どんな状態からでもビジネスを上向かせるサバイバル力を身につけたい人には最高の環境です。
一方で、自分の年収や肩書きといった内向きのベクトルではなく、顧客に長く使ってもらうためのベクトルを外に向けていることが重要です。飲食店のバックヤードの仕組みや細かいオペレーションに興味を持ち、顧客と同じ目線で語り合えるオタク気質な方とお会いしたいですね。正解が用意されていない環境で、自らの手で勝ち筋を創り出す面白さをぜひ一緒に味わいましょう。
