【役員インタビュー】サントリー・スタートアップ・コンサルを経て見えた「事業成長の型」。ランプで挑む、日本の食産業のアップデート

【役員インタビュー】サントリー・スタートアップ・コンサルを経て見えた「事業成長の型」。ランプで挑む、日本の食産業のアップデート

飲食店のテイクアウトに特化した注文受付・管理SaaS「テイクイーツ」を展開し、全国の食産業のDXを牽引する株式会社ランプ。同社でVP of CS/Bizdevを務める寺本拓矢さん。これまでサントリー、スタートアップ、コンサルタントという、多彩なキャリアを歩んできました。

豊富な経験と高い視座を持つ彼が、なぜ次の挑戦の場としてランプを選んだのか。そして、ランプで描く次世代のカスタマーサクセスとはどのようなものなのか。これまでのキャリアで培ってきた事業成長の型と、日本の産業にかける想いについて話を伺いました。

寺本 拓矢 / 執行役員

新卒でサントリーへ入社し、PMIにおけるプロジェクトマネジメントや法人営業組織の立ち上げに従事。その後、スタートアップのiROBOTICSでセールス・マーケティング責任者、新規事業・イノベーション創出コンサルのReGACY Innovation Groupを経て、2025年10月にカスタマーサクセス責任者として株式会社ランプに入社。現在はVP of CS/Salesとして事業を牽引している。

サントリーでの原体験と、日本の未来への危機感

――まずはキャリアのスタートであるサントリー時代について教えてください。

サントリーには約10年間在籍し、営業から全社推進、組織設計など幅広い業務に携わりました。入社4年目からはM&A後のPMIプロジェクトにアサインされ、それに続く広域法人営業本部の立ち上げを経験。5年間で組織を10名程度から70名にまで拡大させるミッションに従事してきました。

これらの多岐にわたる業務の中で共通して求められていたのは、「既存のビジネスモデルをいかに拡大していくか」ということです。その枠組みの中で「何が本質的な解決となるのか」を突き詰めて考えてまいりました。

中でも特に思い出に残っているのは、法人営業本部のKGI指標の一新に取り組んだことです。

もともと自販機の設置台数が主なKGIだったのですが、本質的に事業のことを考えると、台数よりも継続的な売上・利益が重要。そこにまつわる指標の設定が必要だと経営に提案し続けました。結果的に3年かかりましたが、最終的には合意が取れ、全社的に顧客の提案幅が広がり、利益も増進される取り組みとなりました。

大企業という巨大な組織の中で、自らの提案で方向性を変え、それが目に見えて業績に繋がっていく。そのダイナミズムに非常にやりがいを感じていました。

――順調にキャリアを積む中で、社会課題やイノベーションへ目が向いた転機は何だったのでしょうか。

色々な出来事が重なって生まれた「このままではマズイかもしれない」という危機感がきっかけです。

一つは、子どもが生まれたことです。

親になって初めて、日本の教育が過去40年間ほとんど変わっていないという事実を知りました。「このままの日本で、子どもたちは本当に幸せに生きていけるのだろうか」と、社会環境についてマクロな視点を持つようになりました。

もう一つは、大手IT企業との共同事業プロジェクトへの参画です。

経営層も巻き込んだ当プロジェクトで、「10年後の労働人口減少」や「物流インフラの崩壊」といった、避けては通れない日本のマクロな課題を目の当たりにしました。これまでやってきた既存事業を伸ばすことは、本質的な課題解決にはならないのでは、とハッとさせられる経験になりました。

さらに追い打ちをかけたのが、副業で携わっていたスタートアップで出会った、同い年の経営者たち。

彼らはゼロから事業を創り、イノベーションを起こす最前線で戦っている。一方の自分は、大企業の完成された仕組みと看板の上で仕事をしている。「このままでは何も解決できない自分になるのでは」と強烈な焦燥感に駆られました。

未来を変えるような”イノベーションの震源地”へ飛び込まなければ、子供も自分も日本も良くならない。その切実な危機感こそが、それ以降の私の行動の源泉となっております。

失敗から学んだイノベーションの原理原則

――その後、ロボティクス領域のスタートアップへ転職されますが、そこではどのような経験をされたのでしょうか。

「最先端のロボティクス技術で産業構造を変える。」そんな思いを抱いて飛び込んだスタートアップでしたが、結果的には大きな学びとなる挫折を経験しました。

その会社は、マイクロドローンなどを用いた最先端の技術を持っていました。私は経営企画として、それらを事業化すべく奔走しました。ただ、組織が自律分散型のスタイルをとっており、メンバーがやりたいことを自由に提案し、実行する環境でした。活気がある反面、戦略的な選択と集中ができず、私が担当したプロジェクトも1年経っても成果を出せずにいました。結果的に会社自体が伸び悩み、組織の継続も困難な状況に陥りました。

この苦しい経験を経て、全てが圧倒的に不足していると痛感しました。イノベーションを社会に実装するための原理原則も、組織をまとめてプロジェクトを力強く推進していくマネジメント能力も、当時の私には備わっていませんでした。いくら優れた技術があっても、組織設計や事業推進する「型」を知らなければ、事業は立ち行かないということを身をもって学んだのです。

――そこから3社目のコンサルティング企業へ進まれたのですね。その会社はどのような環境だったのでしょうか。

事業を創るための基礎を学ぶために、産業変革を見据え、経営コンサルとベンチャーキャピタルの手法を統合した、総合的なイノベーションサービスを提供しているReGACY Innovation Groupという会社に入社することを決めました。

面接では「前職の失敗は、経営企画という立場にありながら組織を導けなかった君の力不足だ」と率直に指摘してくれて、「ここなら本質的に鍛え直せる」と腹を決めました。事業を正しく導く力、イノベーションを生み出すための原理原則、それらを徹底的に学ぶ覚悟で入社しました。

その会社は、元LINEの事業責任者や、東大・ハーバード出身者、さらには海外で映画監督をしていたクリエイターまで、多種多様な異能が集結する凄まじい環境でした。ただ頭が良いだけでなく、それぞれの領域のトップランナーたちと日々議論を交わせる。そんな素晴らしい環境に身を置くことで、私のビジネスに対する基準値は強制的に引き上げられていきました。

――そのような環境で、どのようなイノベーションの「型」を学んでいったのでしょうか。

企業の新規事業開発に伴走しながら、「既存のフレームワークを”疑う”こと」、「企業ごとの実情に合わせた戦略を描くこと」を学んでいきました。

世の中には様々な定石がありますが、支援していた企業の多くには、そのセオリーはうまく機能しませんでした。単なるフレームワークの適用ではなく、泥臭く組織をどう動かすべきか。そこにイノベーションの成否がかかっていることを、数々のプロジェクトを通じて学んでいきました。

特に印象深かったのは、大手電機メーカー様とのプロジェクトです。大企業で新規事業を起こす際、直面するのが「現場と経営の分断」。イノベーションを起こしたい経営層と、日々の業務に追われる現場のモチベーションは対立し、完全にトレードオフの関係に見えがちです。私も当初は「どちらを優先すべきか」と悩んでいました。

その時、解決のヒントになったのは「時間軸をずらした設計」でした。1年目はあえて経営層が描く壮大な戦略を現場に押し付けず、現場が「やりたい」と思える業務改善から始めて、スタートアップと協業する「文化」を作ることに徹しました。現場の意識が前向きに変わってきた2年目で少しずつ経営側の視点を入れ、文化が根付いた3年目にようやく経営主導の別枠プロジェクトとして大きく動かす、というロードマップを設計したのです。

現状を見極め、時間を味方につけて”対立”を”共創”へと変えていく。この「机上の空論ではない、泥臭い組織の動かし方」を習得できたことは、イノベーションに関わる人間として大きな成長だったと感じています。

「食」×「テイクアウト」の戦略的優位性と、代表・河野の求心力

――再び事業会社であるランプへの転職を考えたきっかけを教えてください。

コンサルタントとしての手応えを感じ始め、「今なら事業会社で本質的に役に立てる」と確信し、事業会社に戻る決断をしました。

その上で注目したのが「食」の領域です。日本の食文化は世界的に見てもジャンルの幅が非常に広くて”層が厚い食文化”であり、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されていることからも分かる通り、”文化としての完成度”が圧倒的であり、極めて強い観光資源です。しかし、実態として日本が稼げていない構造があるのです。

例えば、インバウンド観光客が日本で消費しても、予約や決済を海外プラットフォームに依存しているため多額の手数料が中抜きされています。私たちがどれほど質の高い食やおもてなしを提供しても、利益の多くが海外に流出してしまうという構造的な課題があるのです。さらに地方では、人手不足や低利益率による後継者不足が深刻化し、日本の素晴らしい食という財産が消滅の危機に瀕しています。

この食領域に対して、根本から解決したいと考えました。

――食産業の課題を解決する上で、なぜランプを選んだのでしょうか。

ランプが展開する「テイクイーツ」のアプローチが非常に戦略的で、明確な勝ち筋が見えたからです。

飲食店のDXというと、多くの方は「デリバリー」や「モバイルオーダー」を思い浮かべるかもしれませんが、すべての店舗が導入できるわけではありません。特に人手不足の地方ではそもそもデリバリーをしてくれる配達員がいませんし、店舗側は複雑なオペレーションの導入を嫌がります。一方で、テイクイーツが仕掛ける「テイクアウト」では、個人経営のお店から大手チェーンまで、あらゆる飲食店が確実に参入できる。つまりは変革できる対象の総和が非常に大きいのです。

さらにランプは最初から「洋菓子」という特定の領域にフォーカスしてシェアを獲得していました。洋菓子店はテイクアウトが前提の領域ながら、まだまだ電話注文という既存のやり方から脱却できていないという、深い明確なペインを抱えています。この「誰もが解決した方がいい」と思う、未解決の課題に特化してマーケットに入り込み、圧倒的な支持を得ている。その戦略性や本質的な課題へ向き合う点も魅力的でした。

また、テイクイーツでデータを蓄積できれば、将来的には飲食店全体の経営を支援するバーティカルSaaSへと横展開していくことができます。単なる業務効率化ツールで終わらず、日本の食産業全体の利益率を高めるインフラになれる。そのビジネス構造とスケールの可能性に、強いワクワク感を覚えたのが最大の決め手です。

――代表である河野さんの印象はいかがでしたか。

「こういう人についていきたい」と素直に思える、魅力的な経営者だと感じました。

河野さんは、直感的でアート的。ビジョンを描き、「よくわからないけど、この人なら何かやってくれそうだ」と周りに思わせるような、人を惹きつける力を持っています。だから今日に至るまで、大型の資金調達を成功させ、優秀な仲間をかき集め、組織のモチベーションを高め続けているのだと思います。

また、自分の不得意な領域を客観的に理解し、「ここは任せる」と手放せる度量がある点も魅力的でした。自分の弱い部分を包み隠さず、他者のロジカルな意見を素直に聞き入れる懐の深さがあるんです。

そんなビジョナリーで人情味のあるトップの描く未来に対して、私が実行部隊として推進すれば、最高の補完関係が築ける。そう確信したことが、ランプへの入社を決意する最後のひと押しとなりました。

究極の「コンサル × サクセス」。ランプで描く次世代のCSとは

――現在、ランプ社ではどのようなミッションを担っているのでしょうか。

VP of CS/Bizdevとして、事業成長に直結する指標である「NRR(売上継続率)の最大化」をメインミッションとしています。具体的には、一部店舗での導入から全店舗への展開を推進することや、新機能を顧客のオペレーションに定着させるための仕組みづくりを行っています。

単にツールを導入して終わるのではなく、顧客の現場に深く入り込み、様々な機能の利用促進をして、いかに売上向上に貢献できるかが現在の最大のテーマです。

――ランプにおけるカスタマーサクセス業務の面白さはどこにありますか。

一般的なカスタマーサクセスは、自社プロダクトの操作案内や定着支援がメインになりがちです。しかし、私たちのミッションは「どうすれば顧客のテイクアウト売上が上がるか」をとことん考え抜くこと。

例えば、メンバー自らクライアントである店舗へ足を運び、店舗内の動線やPOPの配置を調査して、「ここを改善すればモバイルオーダーからのテイクアウトが増えるのではないか」と仮説を立てて、提案することもあります。自社のツールにとどまらず、マーケティングや店舗運営の知見を総動員して顧客の事業成長にコミットする。まさに「コンサルティング × カスタマーサクセス」とも言える、非常に業務難易度は高いのですが、同時に最高にエキサイティングで面白い環境だと自負しています。

――最後に、これからランプの仲間に迎えたい人物像を教えてください。

自ら顧客の潜在的な課題を発見し、探求できる方と働きたいです。ランプにはすべてのステークホルダーに敬意を持って向き合うカルチャーが根付いています。そういった環境の中で、顧客と一緒に”三方よし”の未来を創り上げたいという想いを持つ方がマッチするかと思います。

自分のポジションの枠に囚われず、ビジネス全体の視座を高く持ち、事業開発の視点で主体性を持って動ける方にとって、ランプはこれ以上ない成長環境です。日本の食産業を本気でアップデートしたいと考える、貴方からのご応募を、心からお待ちしております。

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